Vol.8の内容と少し重なりますが…ロイヤルホストの本店で働き、私は仕事の楽しさとやりがい、そして目標を見つけることができました。それまで過去から逃げることばかり考えていたのですが、気持ちは前向きになっていました(調理学校に入学したタイミングも大きかったのですが)。
オープニングスタッフでしたので、みんな(もちろんアルバイトも含めて)が同じスタートラインでトレーニングを受け、グランドオープンの喜びと興奮を味わう経験は特別でしたし、そこからお店を作り上げていく感じも本当に楽しかった。とにかく仕事が楽しかったのです。この「仕事が楽しい」という気持ちが、本当に嬉しかったですね。
私はそのロイヤルホストではサービスをしていました。それまでの仕事では厨房で調理しかしてなかったので、初めて接客をすることになったのですが、この経験を通して**「飲食業を一生の仕事にしよう!!」**と、最初の会社を逃げ出して以来初めて方向性が見えました。そんなロイヤルホストです。愛してしまうわけです(笑)。
この時に学んだことは本当にたくさんあるのですが、その一つに**「マニュアル」**があります。ご存知の通り、ロイヤルホストは全国に多店舗展開する企業ですから、当然マニュアルが存在します。私はこのマニュアルに非常に興味がありました。そのメリットとデメリット、内容の精度や活用方法など、とても勉強になりましたね。
話はCafeBoneuの今になりますが、水吞CafeBoneuでは実はあまりマニュアルを作っていません。本当に最低限のものしかありません。例えば、朝(出勤時)には「おはようございます、今日も一日よろしくお願いいたします」と挨拶する、とか。お客様のご来店時には「何名様ですか?」と聞くのではなく「○○様ですか?」と、たとえ違っても人数を先に言う、とか。そんな感じでは少し作っています。
でも、私はなるべく、スタッフの行動や気づきに対して注意や指示はしないようにしています。これは、私が店舗にいて、しかもスタッフが少数なのでそうしているのですが、「自分で感じ・考え・行動する」ことこそが大切だと思っているからです。私の経験上、「それをしたら失敗するな」ということを何も言わずに見守ることって、すごく勇気がいるし遠回りの時もあります。言ってあげた方が良かったと後悔することもあるし、お客様に迷惑をかけることももちろんあります。
でも、それでも失敗し、改善する。その経験と習慣こそが成長につながるし、本人のスキルになる、と信じています。だから私は、一緒に働くスタッフとは一生の付き合いをしたいし、できればずっと一緒に仕事していきたいと思っています。