プロフィールおかわりVol.10

話はまだまだロイヤルホストです(笑)。私が働かせていただいている時は、季節ごとに「フェア」がありました。年末年始には恒例だった「ステーキフェア」、夏には「カレーフェア」といった感じで、確か年に4回ほどはフェアがあったと記憶しています。

その中で私にとって忘れられないフェアが**「タイ料理フェア」**です。それまで和食を中心に居酒屋や洋食レストランなどの業態で働いていて、「タイ料理」なんて食べたこともなかったし、正直興味もありませんでした。

私が働いていたロイヤルホストは本店でしたので、フェアなどがある場合はテスト店舗として、全国の店舗よりも2週間ほど早くフェアがスタートします。そこでオペレーションの確認や改善点などを全店で共有するといった役割の店舗でした。フェアが始まる前にはその料理に対しての商品知識を学ぶのですが、なにせ食べたこともない、行ったこともない、そんな国のそんな料理を提供するのですから、もうなんかテスト勉強みたいな感じでした。学生の時にはほとんどテスト勉強なんてしてなかったのですが、その時は覚えるのが楽しかったですね。

私自身、この店舗でその時**「クルーリーダー」**(※クルー=アルバイト としてある一定時間、社員なしで店舗の責任者としてシフトインできる資格)になっていたので、教える立場でもありましたし、自分が一番商品知識があるという自負もほしかったので、ロイヤルホストから与えられるマニュアル以外に本も買ったりして勉強しました。

で、知識を蓄えていよいよフェアが始まるのですが…タイ料理…苦手でした(笑)。ナンプラーの香り、異常な甘さ、辛さ、そして何より**「パクチー」には衝撃を受けました! 「え?カメムシ??」**って本気で思いましたから(笑)。とにかく匂いが苦手で、料理を運ぶのもなかなか大変でした。

でも、不思議なもので、毎日トムヤムクンやグリーンカレーといった料理を見ていると、なんだか食べてみたい衝動にかられて…。もちろんフェアの前には一度試食しているのですが、その時の「二度と食べない」と思っていたのに、「なんか、おいしそうだな?」って。で、食べてみるのですが、やっぱりおいしいとはとても思えませんでした。

そんなことを何度か繰り返しているうちに、**「あれ?おいしい!!」**とスイッチが入ったのが、いよいよフェアが終わろうとしていた頃でした。その頃には完全にタイ料理の虜になっていて、毎日のように食べていましたし、タイ料理の専門店や多店舗のロイヤルホストにも食べに行ったりと、まあ、ハマっていましたね(笑)。おかげさまで今の私(Boneu)の料理スタイルがあるのです。