プロフィールおかわりVol.12

クルーリーダー。ロイヤルホストではアルバイトスタッフをクルーと呼びその中で、ある一定の時間帯に時間帯責任者としてシフトインする資格のあるアルバイトをクルーリーダーといいます。私は夜間の調理学校に通ってましたから、働くとすれば朝から夕方までか夜から朝まで働くかの2択でした。深夜には手当がつきますから、学費稼ぎに必死な私は深夜帯のアルバイトを探し、オープニングスタッフとして学校のあるすぐ近くにオープンする「ザ・ロイヤルホスト&ステーキハウス」に接客係として働き始め、深夜帯のクルーリーダーとして22時から翌朝の7時まで働いてました。

 オフィス街でしたので深夜帯にはあまりお客様の来店はなく、客層もそれほど悪くなかったのですが、このクルーリーダー(時間帯責任者)としてロイヤルホストの深夜帯で働いているとき、今でも忘れられない出来事がありました。それはいわゆるこちらのミスによるクレームなのですが、、、私はレジ締めをするために事務所にこもって計算と報告書の作成をしていました。そのときスタッフの一人が事務所までやってきて「お客様が写真と違うとおっしゃってます」と報告を受けたので、私は「それではもう一度マニュアル通りに作り直してお出しして」と伝え、自らは対応することなくレジ締めの続きをしていました。このレジ締めにもタイムリミットがあり24時の時点で一日の売上を締めて午前の2時までにチェックをすべて終えてデータ送信しなければいけなかったので、私はそのレジ締め報告のタイムリミットの焦りもあり、そのクレームをクルーに任せてしまいました。少ししたらまたスタッフがやってきてやはり写真と違うとお客様はおっしゃってますというので、さすがにこの時点で私も異変に気付きホールに出ました。私がもう一度作り直してそのお客様に持っていくと「だから!写真と違うじゃねぇか!!」てな具合で猛烈にキレてらっしゃって、、、何というかもう手が付けられない感じになってまして、そのあとはもうひたすら謝り倒して挙句にその方(ちなみに土建屋の社長さんです、、たぶん)が帰り際「うちの若い衆この後連れてくるから、おぼえとけ!!」てきな捨て台詞までいただき、、、もう肝冷え冷えでなんかもう軽いパニックになってました。この出来事は深夜のことで、私は朝の7時までの勤務でしたが社員が来るのが8時か9時かなので置手紙をして「~~こんなことがありお客様を怒らせてしまい~・・・」みたいなこと一部始終手紙に書いて家に帰りました。この写真と違うとは何だったかといいますと「アイスカプチーノ」でした。写真ではエスプレッソとホーミングミルクがきれいにセパレートしていてグラデーションもほぼなくくっきり分かれたいたのですが、実際に提供した「アイスカプチーノ」は提供する間に少し混ざって確かに写真とは違う、、、。このクレーム、私にとってほんとにいい経験となったのですが、この時はとにかく怖かった、、、結構長いことこの方からのお叱りを受けてまして「アイスカプチーノとは??」みたいな問題まで出されて、もうぐりぐりに攻められました。ちなみに若い衆はその後来ることはなく、クレームをしてくれたそのお客様は何なら私のことを応援してくれるお客様になっていたのですが(笑)。。いまでも忘れることのできないこの出来事は私にとってとても重要なことをいくつか教えてくれました。まず。クレーム対応の鉄則として、迅速にそしてその現場のトップが対応すること。私はレジ締めに追われ、最初のクレームの段階でお客様の顔も見ることなくクルーに対応させてしまった。これが一番の間違いでした。そしてそのようにしてこじれたクレームの対応はかなり難しくなるということ。大体のクレームは2次災害といいますか、その対応の悪さでこじれて、お客様を怒らせる場合がほとんどで、その最初の出来事自体はほとんどの場合は迅速に真摯に対応することで解決できる。まさにこの時私はその最初の対応をサボったのです。お客様に言わせれば「なめるなよ!」となるのは当然です。とても勉強になりました。そしてもう一つ勉強になったのが、クレームはチャンスにもなりうるってこと。私は最初の対応を間違えてお客様を激怒させてしまったのですが、そのあとはひたすらに誤り真摯に向き合いました。怖かったからなのですが(笑)それより「ロイヤルホストの看板を私がとった行動で汚してしまう」という恐怖が一番にありましたから、とにかく真剣でした。今思えばですが、「申し訳ございませんでした」で終わることの出来たことで、お客様もそれで、はいはいって終わってもよかったように思うのですが、私がお客様が納得するまで食い下がってたんじゃないかって(笑)いまはそう思うのです。そんな対応に対して、そのお客様はどう感じてくださったのか、その後は私をとても気に入って下さり、「こいつは根性があるけーのー(けーのーとは言ってじゃなかったです)」と、何度もご来店下さるようになりました。