プロフィールおかわりは、私が今に至るまでの「過去」を紹介するもの。ですが、「箸休め」と題して、今の気づきや想いをつづったりと、自由度を増しつつあります(笑)。目的は私がどんな人間かを可視化しているわけなので、本筋からは逸れていないと思い、今回の「箸休め②」になります。
つい先日(2016年8月ごろ)、ネットであるフレーズを目にしました。「新入社員のうつ病」という言葉でした。うつ病? 何気なくサイトを開いてみると、「仕事に行けなくなる。行こうと思っても会社の最寄り駅から出れない」といったことがつらつらと書かれていました。ん?
「それ? 病気なの??」 私はびっくりしながらも過去の自分を思い出し、なるほど私はここでいうところのうつ病だったんだと気づきました。このプロフィールおかわりVol.5でも書きましたが、私は泣きながら勤務していたお店に「もういけません」と駅のホームから電話しました。足が前に出なかった、全身の血の気が引いて目の前が真っ白になって。うつ。そう、言われてみればうつの症状そのものでした。
私はこのサイトを見た瞬間、なんだか少し救われる気持ちを持ったと同時に、違和感も感じました。違和感をどこに感じたかというと、「病気」という言葉にです。うつの症状。確かにそうです。この「新入社員のうつ病」というサイトでもそうだったし、周りの様々な情報を見ていても、うつに対してお医者さんが薬を出す、ということ。このことに違和感というか、正直怒りにも似たものを感じます。自分の意見だからといって調子に乗ってあまり過激なことを書くべきではないかもしれないし、デリケートな部分も含むことだから、無知な私が「怒り」とか「違和感」というのはどうかとも思う。でも…なんか違う! と私は思うんです。
薬じゃない! もし「うつ」というものが病気なのだとしたら、その病気を治すのは薬ではない。絶対違うって思う! だってそれは「今の社会で生きるってことそのものだから」。
私は社会人になって、調理の世界に入って打ちのめされた、コテンパンに打ちのめされた。それはただただ弱かったから。社会に適応できなくて逃げ出した。私は5年前まであの時のトラウマを抱えていました。「また逃げ出すんじゃないか?」「根性なしでこの世界(料理人)でやっていけるわけない」そんな気持ちをあの時からずっと抱えて仕事してきた。実際何度も逃げ出してきましたし、いろんな人に迷惑をかけ、何度も自分に失望してきた15年間だった。
5年前、自分でお店を経営して、つまり独立してやっとこのトラウマからは解放されたと思っています。15年かかったのだと思います。あのうつ状態から完全に抜け出すのには15年私には必要だった。長かったのかもしれないけど仕方ないと思う。自分が弱いのだから。乗り越えるために自分のペースで成長するしかないし、自分のペースで強くなるしかないし、自分のペースで社会で生きる場所を見つけるしかない。
私はとにかく逃げてきた。いろんなことから逃げてきた。けれど、逃げながらでも歩みを止めなかった。歩みを止めないって、つまり「生きてきた」ってこと。逃げたって、立ち止まったとしたって、生きていればそれは歩んでいるってことだと思う。生きてさえいれば何かある。いくら逃げたってかまわないと思う。自分の人生だから、逃げたってちゃんと責任は自分で取れる。だって逃げた場所に自分が必ず立っているんだから。そこでまた歩めばいい。15年間逃げ続けても、振り返ればそれは今に至るただの歩みだから。
私は今となってはラッキーだったと思っています。19歳であの経験をして15年後独立して、5年経営者として歩んで。まだまだこれからだって思う。もう怖くない。逃げ出し方は知ってるし(笑)。うつになりそうになったらすぐに逃げるよ。私なら。弱い自分を認めるよ。うつになりかけた時点でもう自分が弱いってことを認めるよ。
もし今、弱い自分と戦っている人がいるなら、僕の考えは**「逃げなさい、あなたはすでに負けてます。次です次」**っていうかな。薬ではない。もちろん教祖様に考えを委ねるのも違うと思うよ。