12月5日の開業に向けての3ヶ月間は、1日が24時間では足りないと思う日もあれば、何をしたらいいのかわからない不安な時間に襲われることもあったりと、まさに怒涛の日々でした。
それでも、スタッフが揃い、店内が完成し、メニューができて……。 なんとか無事に、水呑CafeBoneuは産声を上げることができました。
開業の数日前には親戚や友人を招いてのプレオープンを行い、前日の夜遅くまでメニュー表を作り直しては印刷し……バタバタと走り抜けた末、2011年12月5日午前7時、ついにオープンを迎えました。
最初のお客様のことは、今でも鮮明に覚えています。 Boneuの珈琲豆を仕入れさせていただいている「ピトン」の社長さんです。 7時ちょうどに来てくださり、松岡修造さん以上の熱く素敵な笑顔で「オープンおめでとう!」と言ってくださいました。本当に、本当に嬉しかった。
前日から届いたお祝いのお花は、店内に置ききれないほどでした。 その香りに包まれながら、「一人じゃないんだ」と強く実感したあの瞬間。いま、この文章を書きながら当時のことを思い出すだけで、目頭が熱くなってきます……。 本当にありがたかった。うれしかった。心から感謝しています。
福山に少しの現金と、下着7枚だけで移住してきた私。 最初は友達夫婦の二人しか知り合いがいなかった場所で、これほど多くの出遭いがあり、ご縁があり、助けをいただけたからこそ、あの時開業できました。
そして、ありがたいことに15年目の今も、こうしてBoneuを続けさせていただいています。
あの朝の光景と、いただいた数々の温かい言葉は、今も私の心の真ん中にあります。
もし、あの時助けてくれた人たちがいなかったら。もし、あのご縁が一つでも欠けていたら。今の私は、そして今の「水呑CafeBoneu」は存在していません。
15年経った今も、厨房に立つ私の背中を押してくれているのは、あの時届いたお花の香りであり、最初のお客様のあの笑顔です。
これからも「当たり前のことを、誰よりも丁寧に」。 いただいたご縁に恩返しをするつもりで、一杯の珈琲、一皿の料理に魂を込めていこうと思います。
支えてくださるすべての皆様に、心からの感謝を込めて。
ありがとうございます。
※起業編はこれで一度幕を閉じますが、物語はここから、さらに泥臭く、さらに熱い「創業編」へと続いていきます。
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