22世紀の食文化の創造

〜厨房からはじまる、22世紀の食文化〜
1.私たちが信じる「食文化の創造」
 水呑Cafe Boneu(ボヌー)が掲げる理念「22世紀の食文化の創造」は、単なる未来のビジョンではありません。
それは、私たちが暮らすこの福山・水呑という「リアルな土地から始まり、瀬戸内、日本、そして世界へと広がる」、未来に伝わる文化を、今このキッチンから設計していく営みです
 文化とは「集団の記憶と営みの積み重ね」であり、未来の食卓は「何を食べるか」よりも「なぜそれを選ぶかが鍵を握ります。
 私たちは、この「なぜ」に答えるために、5つのプロジェクト(CafeBoneu、BONEU&DELIKA、TABLE BONEU、BONEU LABO、BoneuP&O)を通じて、食の未来をデザインしています
2.西洋と東洋、ローカルと世界の融合
外食事業である「CafeBoneu(カフェボヌー)」は、この理念を体現する「マリアージュ」の空間です。
福山の風土と世界の料理が出会う場所とて、西洋料理の技術(例:骨付き鶏もも肉を低温調理する「ボヌーチキン」のコンフィ)に、東洋料理特有のスパイスブレンドを加え、独自の食のスタイルを確立しています
 また、「鞆SOBA」は、鞆の浦のちりめんじゃこ(小魚)というローカル資源に光を当て、ラーメンとパスタを掛け合わせた新感覚のヌードルとして、この地域に新しい名物料理を創りたいという情熱から生まれました。
 私たちは、来店されるお客様に、単なる食事を超えた「感動体験」を提供することで、「共食(ともに食べる)」の価値を再確認し、未来の文化となるべき「心のレシピ」を創造しています
3.「もったいない」を「もうひと工夫」に変える研究
そして、厨房の奥深くで進められているのが、「食の課題解決」に向けた真摯な探求です。
BONEU LABO(食研究プロジェクト)は、環境に配慮した食材選びや、未利用部位の活用、さらにはAIや遺伝情報に応じたパーソナライズ調理といった「これからの『食』」について学ぶ研究室です。
BONEU&DELIKA(中食事業)では、端材、皮、根っこなど、通常は流通や調理の過程で「もったいない」とされがちな部位を「もうひと工夫」することで、フードロスを防ぎつつ、美味しさと持続可能性を両立させた惣菜や冷凍品として提供しています
Cafe Boneuは、店は小さいものの、「食材の命を使い切る知恵」と「料理人の視点」を最大限に活かし、誰かの心に残る一皿、そして未来に伝わるものをデザインする**「まち全体のエンジン」**となることを目指しています
4.地域との「実働」を通じた価値創造へ
この厨房で培われた知恵と、地域資源を価値に変える情熱を、さらに大きなスケールで社会に還元するために、私たちは地元の企業や農家、クリエイターと手を組み、**共同開発プロジェクト「Boneu Planning&OPERATOR'S」(BoneuP&O)**を推進しています。


「畑の困りごと」から始まる、22世紀の食文化デザイン。

 

 水呑Cafe Boneuの理念は「22世紀の食文化の創造」です
それは、単に未来を待つのではなく、過去の知恵(伝統の調理法)を活かし、今日のキッチンから「未来に伝わるもの」をデザインしていく営みです

 

私たちの共同開発プロジェクト「Boneu Planning&OPERATOR'S」(Boneu P&O)の中核である「福山工場長」シリーズは、まさにこの理念を体現しています

 

【背景にある「問い」:①食材と持続可能性】
 福山は豊かな農産物に恵まれていますが、農家さんの現場では「規格外の野菜をなんとかしたい」「人手が足りない」といった深刻な困りごとが存在します
流通に乗らないだけで、その品質や味は素晴らしいものです

 

【福山工場長の「行動」:地域との連携】
 福山工場長は、この「困りごと」を「個性」と捉え、魅力に変えることを信念としています
私たちは、総菜メーカー、アーティスト、デザイナーといった地元の多様なプロフェッショナルと共にチームを結成、料理人(シェフ)としての視点から、未利用食材に新たな「価値」を生み出す商品開発(カルツォーネ、ピクルス、ソースなど)をサポートしています

 

この活動は、単なるフードロス削減に留まりません
気候変動や技術進化が進む22世紀において、「何を食べるか」よりも「なぜそれを選ぶか」が文化を創る鍵となります。福山工場長の取り組みは、「持続可能であること」と「美味しいこと」を両立させ、福山のローカル資源を再評価する「未来の食材選定」のプロセスそのものです

 

【創り出す「未来の食の慣習」:⑤伝承法】
 このプロジェクトが生み出す価値は、商品そのものの美味しさだけではありません。
生産者の想い、規格外品の活用という背景、そして開発に関わった多様なメンバーの物語—–これら「想い・背景・ストーリー」の継承こそが、22世紀に伝わる「食文化の伝承法」の鍵となります

 

「福山工場長シリーズ」が「福山ブランド」に認定され、「ソーシャルプロダクツ賞2025」を受賞したことは、この「想い」が地域社会および広く社会に認められた証です。

 

結論:厨房からはじまる、未来への歩み Boneuは、小さなキッチンを「まち全体のエンジン」とすることを目指し、福山という場所から始まるスパイラル型の視点(水呑から瀬戸内、日本、そして世界へ)で食文化を創造していきます